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杣人yumi

Author:杣人yumi
弓道と楽しく向き合う杣人の弓道ブログ。お気軽にお立ち寄りください。

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『禅の道』 オイゲン・ヘリゲル 

オイゲン・ヘリゲルの『禅の道』を読んだ。偶然本書のあることを知ったからだ。弓道に馴染んだものならヘリゲルが書いた『日本の弓術』岩波文庫と『弓と禅』福村出版の二冊を知る人は多いだろう。『弓と禅』は最近『新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 』(角川ソフィア文庫)となって新しいい本も出ている。

本書の存在に今まで気が付かなかったのはヘリゲルが亡くなる少し前に多くの原稿を焼却したと知っていたからである。事実とはいえ思い込みというのは恐ろしいものである。本書の奥付をみると1991年9月10日1刷発行とある。27年も知らないでいたのであった。

本書はヘリゲルの「遺稿集」であり貴重な資料と言える。ヘリゲルはハイデルベルク大学で教鞭をとっていた際日本からの留学生と接し日本への興味を増していった。1924年から29年までの6年間日本に招聘されたヘリゲルの心中はどれほど喜びに満ちていたことであろう。その情熱の一旦が『日本の弓術』と『弓と禅』となり私たちはヘリゲルの弓道修行を知るのであるが、では彼の学究の方はどうだったのであろうか。それが本書で明らかになる。
ヘリゲルは弓道と同じく彼の哲学研究である神秘主義の理解に日本の禅に着目し、自ら体験することで答えを見出そうとする。その姿は単に体験という言葉では足りない。文字通り飛び込んでいるのだ。

このブログは弓道に関係したことを書いているものであるからヘリゲルの禅への取り組みを論ずることは控える。立禅ともいわれる弓道の一面も、初心者に弓道は立禅だからと説いてもなんの益もない。弓道に取り組む者が自身の修行の中で禅と通じる面を発見したり呼吸の修練を取り入れたりと自らの修行に合わせて理解してゆけば良い。どうゆう弓道を求めるかはその人なりの道である。
しかし、あえて言うならば経験を積んだ弓道人は是非この本を読まれるのが良いだろう。ドイツの哲学者が禅の世界を体験し理解するためにどれほどの飛躍がなければならなかったかと思うからだ。そしてヘリゲルが体験した禅の修行が阿波研造に習った弓道の修行といささかも違わない事を知るからだ。師弟の関係、悟りによって一切が変わる事など本書に出てくる禅の経験は弓道の修行に照らして考えて全く違和感はないのだ。

禅の修行も弓道の修練も結局はその人が何処に行くのかという事である。何を求め何を得るかはその人の背負っているものである。だからこそヘリゲルのような人間が阿波研造に出会い弓道を修練したことに深く感動を得る。そのヘリゲルに感謝と尊敬の思いを持ち彼の姿、禅に向かった心を知ることは弓道人としては当たり前の礼儀であると思う。

弓道を全く知らない禅を知りたいと思う方がもしこの本を手にしたら、それは素晴らしい出会いだと言えよう。禅の修行を経験するヘリゲルの洞察は初学者にとってとても素晴らしい手引書である。今回私はこの本を図書館で借りて読んだ。当然購入すべく用意をしているのだが、弓道の本とならべるのが良いか、仏教の本と並べるのが良いか悩むほどだ。

ではまた。



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テーマ : 弓道
ジャンル : スポーツ

弦音

週末の土日、道場で練習をする。今月26日と来月16日には四段までの地区審査が行われるので道場にはそれなりの賑やかさがある。審査を受ける人と一緒に入退場を含め座射での体配の練習をし気が付いたことを少しだけ話す。射技にしても体配にしても初心者にはあまり多くを指摘しないようにしのびのびと審査を受けてもらいたいと思っている。

私が審査を受け始めた時は道場の先輩から審査を受けるように言われ初段から受けた。当時あったのかどうか分からないが現在は級無指定と段無指定がある。高校生で初めて受ける人は級無指定を受審し一級か二級を頂戴する。社会人は段無指定を受けて初段を頂くようだ。もちろん高校生だって段無指定を受けることは出来るだろうし社会人だって級無指定を受けてもいいのだろう。そこらへんの線引きは指導される方が判断する。ところがたまに一級が受かると期待して二級の認定となるとこれを拒否して登録しないものがいる。本人は一生懸命練習し一級が欲しかったという気持ちは分かるが期待に添わなかったからといって登録しないというのは全く考え違いも甚だしい。審査は今の自分の技量を先生方に見て頂いて評価してもらうもので評価が気に入らないから登録しないというのならば最初から受審する心構えが出来ていないということである。

そもそも段位や称号というのは日弓連が認めてくれるものではあるが、では自分の目指すものの前で段位や称号が意味を持つかと言ったらそんな事は全くない。一射一射新たに挑戦し反省し練習するばかりだ。確かに練習を積み技量をあげ経験を重ねていけば昇段するだろうが、弓人が弓と格闘するときに自分が何段だからなどという意識はなんの役にも立たない。

昇段昇格は練習の励みにもなるし嬉しいものでもあるが、日弓連の評価は素直に受けながらもさっさと忘れて自分の目標を探し練習するのが良いだろう。

さて、先日弓具店で求めた新しい弦を試した。芯に化学繊維を使い麻を周りに縒って作ったという弦だ。いつもは細めの弦を好んでいるが弓力に合わせて太目の弦にした。弦輪を作り弓に付けると一回で決まった。弦はもたもた作り直しているようでは技量が無いと言われる。なにより作る本人が気持ち悪い。一回で決まると気持ちが良い。
麻弦を縒っているというのでくすねをたっぷりとつけてまぐすね(わらじ)をかける。合成繊維の弦はまぐすねをかける必要はないが弓の準備としてはやはりこの作業は気持ちが良い。

弦が落ち着いたところで的に向かい射る。引き味は柔らかく大三から会まで全く変わらずに引いてくることが出来て大変良い。弦音もしっかりとしている。太いのと麻の関係で金属的な音ではなく柔らかく落ち着いた弦音だ。久しぶりに楽しい弦に出会った。
一本1300円。ちょっとお値段は高いが引き味と弦音を楽しめるのだから大満足。まぐすねをかける楽しみも復活だ。


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弦選び

3月になり道場の様子にも忙しさがみえます。期末ですから来年度の登録が掲示板に張り出されています。私の場合、全弓連1000円、県連4000円、体協登録1000円、スポーツ保険1850円、合計7850円の登録料です。このほかに4月からの支部会費が9000円。これで一年間弓がひけるのですからお財布には優しいですね。
もちろん弓や矢、カケは良いものを求めると高価ですが丁寧に扱えば一生ものです。弓道でお金がかかると言えばあとは着物でしょう。私は着物が好きなのでどうしても着物や袴に目がいきますが、一般的には弓道でそれほど着物にお金をかける人は少ないでしょう。
日常的には消耗品としてよく買うのは弦と握り革でしょう。特に弦選びには神経をつかいます。以前麻弦があたりまえの時代は谷口や桂といった弦を弓具店で何本かまとめ買いしていました。今も弓によっては麻弦をかけていますが、練習や試合を考えると弦の値段と弦切れのリスクを考えるとどうしても合成弦を選んでしまいます。

久しぶりに弓具店に出かけてきました。筈打ちをした矢を修理に出すためです。6本組のジュラ矢ですが2本を筈に真っすぐ中ててシャフトまで裂けてしまいましたからシャフト替え、1本は筈を割って羽を削ってしまったのでこれは羽を替えてもらいましょう。矢処が近いと言えばよく聞こえますが、広い的ですなにも矢に中てなくても良いですね。先生は「おお名人だな。俺はそんな金のかかることはしない。矢の無いところを狙うよ。」と私を笑います。確かに矢の修理というのはあまり嬉しい出費ではありません。

修理だけでは申し訳ありません。ちょうど替え弦が無くなったので弦を選ぶことにしました。弓具店のご主人に弦が欲しいと伝えると今は何を使っているのかと尋ねられましたので「響」と「飛翔弦」を使っていますと言うとこうゆうのを作ったんだけどと勧められました。

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化学繊維の弦を芯にして麻を巻いて作ったのだそうです。ご主人は「あまり弦音はしないけど・・・」と言いますが、私はご主人のそうゆう言い方が好きですし、お気に入りの弓具店さんが使ってみてと言うものを断る訳がありません。喜んで試させてもらいましょう。弓具店と弓引きのお付き合いというのはそうゆうもので、この弦を使った感想をご主人にお伝えすればさらに良い弦を作ってくれることでしょう。
弦音は引き方で良否がきまります。弦音のする弦とうたっている合成弦もありますが、私はあまり信用はしていません。

近く参加する試合に合わせて今使っている弦を替え弦としてこの弦を使ってみましょうか。相性が良い弦かどうか楽しみです。

ではまた。