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杣人yumi

Author:杣人yumi
弓道と楽しく向き合う杣人の弓道ブログ。お気軽にお立ち寄りください。

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『熟してはじける果実のように』松樹剛史

先日まはら三桃の『たまごを持つように』を読んだことを書いた。これは単行本であったから探すのは簡単で図書館の検索でもすぐに見つかった。今回読んだのは松樹剛史の『熟してはじける果実のように』なのだが単行本になっていなかった。
2012年の都立高校入試問題に弓道を描いた小説が取り上げられたというので国語の試験問題をファイルしてあった。タイトルを入れても図書館の検索では出てこない。短編集かもしれないので著者名を入れてみたが出てきた本の中にみあたらない。次にGoogleでタイトルを検索してみるとブログに取り上げている方がいて小説すばる2008年5月号に掲載されていたことが判った。そこで図書館検索をしてみるが、市内の図書館では小説すばるは在庫していない。Amazonでバックナンバーを探して買うほどのものでもないので、図書館に出かけて取り寄せてもらうことにした。
図書館のカウンターで要件を伝えるとあまりこうゆう事に慣れていないのか、探して取り寄せると私にこたえるまでに10分近くかかっている。
二週間ほどして図書館から本が届いたと連絡があり受け取りに行った。少し心配していたが、図書館外に持ち出すことも出来て安心する。みると隣市の図書館の蔵書であった。当市の方が大きいのにと不思議に思う。

家に持ち帰りあらためて見ると『熟してはじける果実のように』は15頁の短編だった。内容は祖父の指導の下弓道を学ぶ中学生の女子が同門で高校一年生の男子を意識し始めるという軽い読みもの。弓道に関しては離れに着目しているが、小説の中で深く描かれてはいない。参考文献にオイゲン・ヘリゲルの『弓と禅 改版』とあり、小説の中にも主人公がかけほどきをして祖父に否定されることが書かれている。『たまごを持つように』にも離れを作るためにカケを操作する様子が書かれていたが、弓道の経験のない人間が離れを描くときに離れはどうしても射手の操作によって作るものだと考えてしまうのだろう。残念なことだし弓道を知らない読者に誤った印象を与えることが無いよう願いたい。ちなみにかけほどきなど簡単に出来るものではない。私などは考えたこともやったこともないし、きっと小説にかいてあるようにやっても離れが出ないであろう。

高校入試問題に弓道が取り上げられたということで、二つの作品を読んだ。どちらも主人公は中学生、高校生であった。大人を主人公にした弓道の小説が出てくることを強く望んでいる。





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矢の購入

矢師さんのところに出かけ練習用の矢を注文してきた。竹矢ではなくジュラ矢だがシャフト、羽、接ぎ糸とすべて選んで作れるのが嬉しい。
私が弓道を始めた時、最初に買った矢は先輩に連れられて弓具店に行き右も左も分からない私が珍しげに店内を見まわしているうちに「これがいい」と言って選んでくれた竹の矢だった。一本破損して三本になったが今も手元に残っている。その後ジュラルミンの矢が登場し、一度買ってみたが頬付けをするとひやっと冷たいのであまり使わなかった。そのジュラ矢はかぶせ筈で通常差し込んで付ける筈をシャフトにかぶせるようにして付けるものだった。これは便利と思ったが今そうゆうジュラ矢は見当たらなくなってしまった。この矢も廃棄することになるだろう。

練習も試合もすべて竹矢で過ごしてきたが、最近竹矢の破損が著しい。一つは私の未熟さゆえ羽の傷みが大きいのだ。上手になるまでの授業代と思っている。もう一つは道場の垜の砂がかなり荒くノが削れてしまう。板付のところから何センチか目に見えて削れている。先日は的の中に中って抜いたら見事にノが割れて先がなくなっていた。同じ道場で練習する仲間がアルミカーボンの矢を見せてカーボンが削れてしまったと教えてくれた。その人の矢も削れて折れたそうだ。そんな事情から竹矢の練習を控えようと思いジュラ矢を買う事にしたのだ。

同時に傷んだ竹矢の修理もお願いした。ノが細く削れてきたもの、折れたものはの換えか継いでもらうことにし、ほほ擦り羽など羽も直してもらう。この竹矢は今回お願いする矢師さんが作ったものではないので、正直なところ心苦しいのだが、直してくれるという。有難いと思う。
ジュラルミンの矢は二週間ほどで出来るそうで、修理の矢は時間がかかるということだがお願いするのであるから十分承知の話だ。ジュラ矢の料金をお支払いし、お店を出た。

ジュラルミンやカーボンの矢は竹矢ならノと言うところをシャフトと言う。節もないから手元で羽の位置を確認することもできない。矢を組むときにも注意が必要だろう。使い慣れた人の話を聞いてみることにしよう。新しい道具が出来ると新しい工夫や心得が必要になる。

矢を新たにして来年の練習を心おきなくやりたい。

テーマ : 弓道
ジャンル : スポーツ

『たまごを持つように』まはら三桃

肩甲骨の使い方を確認したく資料を読んでいたら同じファイルに綴じられた高校の入試問題が目に留まった。平成23年度高等学校入学選抜学力検査問題国語とある。弓道をとりあげたまはら三桃という作家が書いた『たまごを持つように』という小説から出題された国語の試験問題だ。当時弓仲間の間で話題になっていたのでネットで探してプリントアウトしておいたものだった。読解の問題を解き出典を確認し図書館のサイトに題名をいれたら蔵書リストにあって翌日に借り出すことが出来た。

話は福岡の中学生伊吹早弥を主人公に中学生弓道部の活動を描いた青春ものの小説だ。弓道家族に育ち八歳から弓道を始めたという柏木由佳は安定感のある先輩、天才肌の同学年松原実良は自由奔放で問題行動も多いが弓のセンスは抜群なので一目おく存在、そしてアフリカ系アメリカ人の父をもつ石田春フィリップアンダーソンンは真面目に練習に取り組む好男子。そんな仲間に囲まれ早弥は不器用な自分を鼓舞しながら悩み多き弓道をしている。弓道部の監督坂口清子教士八段に「手の内が硬すぎますよ。握卵を忘れないように」と言われ学校帰りのスーパーで鶉の卵を買ってそっと左手に握ってみたり、弓手を強くしようと左手で箸を持ってみたりもする。部活の練習や中体連、県大会に九州大会など試合の様子も描かれ中学生の弓道部の様子がうまく描かれている。

作者は弓道をやったことがないという。だから取材に基づいて言葉を選んでいるが、所々これってどうなの?と思わせるところもある。例えば取懸けの様子で「右手の三本の指を重ねて、弦を握る。軽く。指の位置をすこしずつずらして、位置を決める。」と描かれているが、弦は握らないし指の位置をずらしたりもしない。引き分けのシーンでは「ずんと手首に手ごたえがある。この力に負けてはいけない。腕の力を一心にこめる。弓を握りしめる。」とあるが、手首に手ごたえというのは微妙に違う。中学生のレベルならば手先で引いてそうゆう事になるのだろうか。腕の力を一心にこめたりまして弓を握りしめるなどもっての他だが、作者はきっと取材先の道場で弓を引く姿を見てそう感じたのだろう。矢が飛ぶさまを発射と書いているのも気になる。取材先の道場ではそう言っているのだろうか。逆に「握りすぎると、弓の持つ力を殺してしまう」という表現もあり「謎だ。頭が謎でいっぱい」とも書かれているが、これなどはきっと作者が話を聞いていて自身理解できず謎だと思ったのだろうと想像する。
少し観念的表現もある。試合の描写の中で「心に的が見えた」とあるが、思わず中学生で?と思ってしまう。しかし同時に私自身中学生だからといって練習をつめばそうゆう心境で弓がひけるのかもしれないと中学生のレベルを低くみていることを反省する。部活の練習、試合のプレッシャーなど真面目に練習を重ねる中学生の弓道はいい加減な大人よりはるかに精神の高みを持っているかもしれない。

弓道の経験がない作者が書いたというが、総じて良く書けていて中学生の弓道部の様子がさわやかで良い本だった。剣道では村上もとかの『六三四の剣』という漫画があり誉田 哲也の『武士道シックスティーン』もさわやかで面白かった。時代小説でも弓を描いたものは剣術に比べたら極端に少ない。そうゆう意味でも『たまごを持つように』は貴重な本だと思う。中学生や高校生には是非読んで欲しい。中学にも高校にも弓道部が無かった私は社会人になってから弓道を始めた。審査や練習で中学生や高校生と挨拶を交わすこともあるが、彼らは皆素直ですがすがしい。そんな学生弓道を経験出来る彼らをすこし微笑ましく思うが、『たまごを持つように』は読んだ者をすがすがしくしてくれる本だった。

ではまた。

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