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杣人yumi

Author:杣人yumi
弓道と楽しく向き合う杣人の弓道ブログ。お気軽にお立ち寄りください。

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弓の力・体の力

ある先生から私が肘を痛めながら二十㎏の弓を引いていることに関して注意をいただいた。もっともな事でありご心配頂いたことに深く感謝する次第だ。
そこで弓力と練習について少し考えてみたいと思う。

どの分野においても自分の技量にあった道具を使わなければ充分な結果を得られないばかりか事故や故障のもとになる。運転技術の未熟な者が馬力のあるスポーツカーを運転することは出来ないし、スキーでは体に合った長さ、用途に合ったスキー板を選ばなければ上手にすべることは出来ない。弓道においても然りだ。
教本では「弓の抵抗力は反動力で矢束いっぱいに引いて会に至ったときに自己の体力相応の弓を使用するのがよい。弓二張りの肩入れが出来る限度の二分の一が適当である。」と教えてある。
先生は「身体はどこかに故障(痛み)があると、本来使うべき筋肉(伸筋)が使えずに無意識にその代償筋として屈筋が作用してしまうようです。」と言い「40Kの弓を肩入れできますか?」と尋ねる。

弓道を習い始めるとまず道場にある弓で練習を始める。中学や高校の部活なら部の備品であろうし一般の道場でも七~八㎏の弓で素引きや巻き藁練習を始める。弓力の弱い弓でも始めたばかりの者は引き方を知らないから汗だくになって引くがこれは誰もが最初に経験することだ。実はこの弱い弓で弓の正しい引き方を学ぶことが大事なのだが大抵の人が汗をかかなくなったころ弓力を上げ余計な力で間違った引き方を身に付ける。いつまでも巻き藁に向っている訳にもいかず、的前に立つことで“的に矢が届く弓”という考えや自分の弓を用意する時に“いずれこのぐらいの強さの弓は引けるようになるから”と強めの弓を用意させる向きもあるからだ。確かに外見だけならば打ち起こしから引き分けへとそれとなく見えない事もない。しかし大切なのはどのように引き分けているかといことだ。先生の言葉を借りるなら「本来使うべき筋肉(伸筋)が使え」ているかということだ。
大抵の初心者は弓を握りかけで筈をしがみ力で押し引きをする。そうでないにしても手先で押し引きをする。それを直していく途中で弓力をあげてゆくからなかなか正しく引き分ける事を覚える事が出来ない。例えば一kgきざみで弓を変えてゆき正しい引き分けを維持するように練習すればいいのかも知れないが、個人でそんなに弓を買うことは出来ない。ならばどうするか。素引き練習で自分の引き方を確認するのがもっとも自分に正直な練習だろう。打ち起こして大三、会にもってゆくとき体の何処を使って運行するのかを確認しながら素引きをする。弓を保持するに必要な最低限の力を用い余計な力を使わない。抵抗が増すにつれ腕の力に頼らない分を体の何処で受けているのかを研究しながら引き分けてくる。力みが出たら止め決して無理に先に進めない。この練習を繰り返していき腕の力、手先の力を使わない引き分けを感じ続ける訓練をすることが大事だと思う。

私の場合、打ち起こし大三にもってゆくときに肩甲骨の働き、肩根の働きを意識する。手先には決して力は入らず肩甲骨から少し下がった背骨の一点を頂点として両肘と逆三角形をイメージする。ここは要であるが、腰や両足の太ももなどにも弓を支える力を分散する。全身で弓を引き分けるのである。腕に力が必要無いとは言わない。骨の動きを支え弓の張力に対応する力は必要である。しかしそれは弓を必要以上に押し引きする力であってはならない。あくまで支える力だ。左肩と肘が的に向って弓を押す位置に正しくあれば弓手に力はいらない。私はよく「弓の握りは握っちゃだめだよ」と教えるが、肘肩が整えば弓手は弓を受けるだけで良くなり、ここに至って初めて手の内や角見の話が出来るようになる。馬手にしても同様で掛け口で弦を引っ掛けているだけ、ひねられているから外れないだけである。弦を握ったり矢を押さえ込んだりはしない。あくまで円相で取り掛け、かけの形にあったひねりで弦を支えるだけである。

さてこうして力を使わずに引き分けてくるのだが、初心者は最初怖がりなかなか出来ない。実は引き分けが進むにつれ張力が強くなり外れ難くなるのだが不安が先にくる。練習を通して理屈を覚え不安を消すことが大事だ。私は弓道は紙一重の妙技だと思っている。弓とかけの道具の性能を最大限に引き出すために手先の力を抜く。その分肩肘背中、腰と足というように全身で弓を受け止める。その力の按配は紙一重だ。会で延びあっていく時も肩甲骨と肩を開き離れの瞬間さらに角見をきかせて弓をコントロールする。それも紙一重の技だ。力で弓を操作していてはこの紙一重は出来ない。

話を戻そう。
弓道を始め慣れてくると矢勢の良いのに憧れる。強い弓を引きたいと思うのも必然の思いだ。だが、強い弓を使えば矢勢の良い矢になるかというと話は違う。十㎏ぐらいの弓で直線に勢いよく矢を飛ばす射手をみると、上手いなと思う。大事なのは体力にあった弓を使い、弓の性能を充分に引き出す技術だ。かく言う私も一度道場の先生に弱い弓を渡され「是で引いてみろ」と試されたことがある。そのときは的に届きこそすれ矢どころが定まらず苦労したが、「それじゃ選手に使えないぞ」と言われ苦い思いをした。弓と体力のマッチングという事はあるものの、どんな条件でも最善の事が出来なければ達人とは言えない。
今私は十八㎏ぐらいのにべ弓で巻き藁練習をしてから二十㎏の弓で的前に立っている。今回の肘の故障を契機に十六㎏ぐらいの弓を求め練習してみるのも良いのかも知れないと思うようになった。あと三十年は弓を引ける体でいたい。その時のためにも少しづつ計画をしてゆこうと思う。



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練習再開・・・続き

練習を再開することが出来るようになってほっとしている。まだ肘に痛みは残っているので少し引いてはアイスパックで肘を冷やしているが、以前のように離れで痛みが走ったり、弓倒しが出来ないということは無い。
肘の痛みに加え、三月の中頃から胃と大腸に病気が見つかり治療や検査を行ってきた。これも最近一段落したので道場に行けるのだ。

ところが、先週末練習をしようとしたら弓が強くて引けない。私が使っている弓は20㎏ぐらいのにべ弓なので気温が高くなってきたこの季節に弓が強いということは考えられなかった。矢束に引き分けることも難しくまるで会で納まることも出来ない。何故だろうと不思議に思いながら呼吸の意識を強くしてみてかろうじて引けるようになったが早々に練習を切り上げることにした。私の年齢でこのぐらいの弓が引けないはずがない。とすると私の何かが変わってしまったのだろうか。

道場でのそんな経験の後、スポーツジムで筋トレを行った。数年前筋トレとスイムで体を絞ったことがあったが、そのときは数種類のマシーンを使いながら全身の筋トレプログラムを行っていた。最近はその時ほど絞りたいとも思っていないのと、出来るだけ柔らかい筋肉を作りたいと思っているので、マシーンでの筋トレはやっていなかった。しかし弓が引けないと言う事態に少し危機感を持った。筋トレは年齢に関係なく行うと効果が見える。ストレッチや水中でのエクササイズ、自重による運動と柔らかい筋肉作りはこれからも意識してゆくが、マシーンによる筋トレも加えるようにしよう。もっとも弓は力で引くものではないからマッチョな筋肉をつけたからといって強い弓が引けるわけではない。それでも年齢とともに衰えやすくなる体を管理するには役にたつだろう。

そんな昨日、弓の夢をみた。東京時代の先輩があづちで私の射た矢一手を抜きながら「太い矢だな」と言っている。白い礼射用の箆は確かにすりこ木ほどの太さだ。
また弓の夢を見たなと気持ちよい朝を迎えていたら、K先生から電話をいただき道場に呼ばれた。ある用事があってのことだったのだが、これは練習をしろということだと思い、弓を持って出かける。

K先生との話も済み、練習をする。巻き藁の感じが良いので、的に立つと前回とは引き分けがまるっきり違う。ちゃんと引き分けられて弓も体に納まる。これは以前の感じが戻ったようで弓が楽しい。筋トレをした成果とは思えないが、弓の感触もまるで違う。

練習を再開すると二つの事を考える。一つは道具。弓も矢も使い続けているとよく中るようになるが逆に使わないでいると中らなくなる。特に弓はしばらく引いていないとまるっきり中らなくなる。まるで使ってあげなかったことで拗ねてしまったように思える。だからしばらく使っていなかった弓や他の道具には“またよろしくね”と声を掛けるようにして調子をうかがいながら使うとまた中るようになる。本当はちゃんたした理由があるのだが、ここで細かく書かない。私はこれを弓に中りを覚えさせる、もしくは思い出させると言っている。
もう一つは自分の体。これも道具といえば道具だ。筋肉だけでなく呼吸も心も弓を引くものに育て直さなければならない。以前引いていたからといって同じに引けるものではない。水泳選手が水泳にあった体になるように、弓引きにも弓引きにあった体がある。そうゆう体に作り直さなければならない。だから練習を休んだ後はチャンスでもある。悪い癖や間違ったところを直し練習すれば正しい体を作ることが出来て弓も正しく引けるようになる。

練習を再開して何回目かの道場。気持ちよい体を感じながら弓仲間との時間を楽しんでいる。

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練習再開

左肘の痛みに伴い練習を止めてもう三ヶ月ほどになる。一時は残心で腕が曲がらないほど、弓倒しが出来ないほどだった。まだ軽い痛みは残るもののそろそろ試してみようと思い道場に出かけた。ちょうど教錬士会の射会の案内が届いた。出席しないわけにはいかないので恥ずかしい射はしたくない。案内のはがきに背中を押されたようだ。

道場では巻き藁に向う。取り掛けて肘の張りを意識すると少し痛みがあるが打ち起こして大三に持っていくことは出来る。会に入るが体がしっくり来ない。やはり練習していないといけない。離れで肘の痛みが出ないので安心するが、十射ほどして一旦肘を冷やすことをする。今日はアイスパックを二つ持ってきた。呼吸を確認したり、残心での弓の形を確認したりと一通りのことは意識してみるが、まるで弓と体がぎこちない。そんな巻き藁練習を三十分ほどして的に向った。

的では二月ごろの練習で感じていた狙わない練習を意識する。しかしそれ以前の問題だった。的前に使う弓は巻き藁のより強い弓だが三ヶ月使わないでいたせいか反応がよくない。それに加えて私の体もきちんと開く事が出来ない。今日はこんなものかと思いながらそれでも開くことを意識する。胴造りも悪いのかなかなか弓と体の一体感が生まれない。
午後からは他の人たちも集まって来た。肘を冷やしながら一緒に練習を続ける。

久しぶりの練習は内容的には幼稚園生のようなものだが心は喜んでいた。気持ちがすっきりし心地よい。弓を引けることを喜びこれからは体調管理も気を配るようにしよう。

*****

翌日、肘の痛みを心配したが夜もテレビを見ながら冷やしていたせいか痛みは出ていない。これなら練習を続けることが出来る。もっとも腕の筋肉は少し硬くなっている。

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